森とイエ

2012年1月「コンセプト」

1. 自然と一体感がある家

人間の生活は自然の摂理との調和の中にあるべきだと考えます。

日々の暮らしの中で自然の美しさや豊かさや快適さを感じることができ、

人間の生活が自然の豊かな多様性の一部であると実感できるような家が

理想だと考えます。

2. 家と庭は一体に設計する

自然を感じられる家にするためには庭の存在が欠かせません。

「家庭」という言葉が家と庭で成り立っているように、

その2つは人の生活にとって切りはなすことができない大切な要素です。

ですから家をつくる時、私は常に庭と家を一体で設計します。

3. 開口部を大切にする

庭と家の関係を密接にするためには開口部のあり方が重要になります。

アルミサッシをポンと付けてしまえば簡単ですが、

それでは素敵な家にはなりません。

また開口部はプライバシィの確保や防犯の問題、熱損失の問題もありますし、

何より光が美しくなくてはなりませんので細心の注意をはらって、

その家に最適な開口部を設計するよう心がけています。

4. 自然素材に囲まれた生活

家作りの素材はできるだけ自然のものが良いと思っています。

特に内装材は木や草や紙や土といった自然の味わいがあるものにしたい

と思いつつ設計をしています。

その方が時がたつにつれて味わいが増す家になりますし、

何より自然の素材は人の心を安心させてくれるからです。

5. 家具は家に合うものを選ぶ

家具は体に触れるものですから、その良し悪しが生活の豊かさを大きく左右します。

せっかく良い家を作ってもそれに合わない家具だと

せっかくの家が台無しになってしまいかねません。

私の設計する家には機能的でデザインのすぐれた北欧の家具が

一番合うと思っていますので、そのようなものをお勧めしています。

6. ひかえ目な外観と豊かな内部

限られた予算で家をつくる場合、外観とインテリアとどちらを優先するか

と問われたら、迷わず「インテリア」と答えます。

なぜなら、家は中に住むためにつくるものであって、

他人に見せびらかすためにつくるものではないからです。

家の外観は耐久性さえあれば、むしろ周辺の街並みにとけ込むような、

ひかえ目なものの方が良いと思っています。

7. 収納は十分に取る

豊かな生活をするためには、身の回りにさまざまなものが必要です。

それらのものが適切に収納できるようにしておかないと

家の中がものだらけになってしまいます。

ですから、収納は効率が良く、見た目もすっきりとした造り付けのものを

中心に十分に取ることを心がけています。

8. 設備に頼りすぎない快適さ

自然を感じながら生活するといっても、今日の生活に冷暖房や給湯の設備は欠かせません。

暖房は床暖房を標準とし冷房は家の風通しを良くしたり

吹き抜けをつくることで最小限におさえるというのが私の考えです。

特に開口部は熱損失が大きいのでペアガラスを標準とし、

家全体の断熱性能を上げることで、設備に頼りすぎずに

夏涼しく冬暖かい家をつくることを心がけています。

その方が地球にも優しくはるかに快適だと思うからです。

9. 日本的なるものと西洋的・近代的なるものの融合

私の家づくりの哲学や美学は日本や東洋にもともとあったものを

ベースにしているのかもしれません。

それは地球の将来を考えると大変思いに富むものだと考えます。

それを西洋化・近代化された今日の私達の生活の中にどう取り込み

融合させるかが大きなテーマとなっています。

10. 建築としての住宅

どんな小さな住宅であっても、そこでの生活自体が豊かで美しく

住宅はそれをやさしく包み込む空間芸術、つまり建築であってほしいと思います。

建築としての住宅には、考えに一貫性が必要ですし、

何よりも空間に質の高さが不可欠です。

それは人間にとって変わることのない普遍的な価値を有することを意味していますが、

時を越え、文化や国の違いを越えて久しく愛される住宅を目ざして、

これからも設計を続けたいと考えています。

読めば読むほど、私の住宅感にぴったりはまるのだが・・・

私は施主ではなく、施主の妻なのであまりまたこうゆうことを書くと

施主から「おまえの好きな家になるべやー」と、

クレームがくることは間違いないと思われる。。。



家のことを考えるとわくわくする。。。(S)

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